「陸マイラーになったら年間30万ANAマイル稼げる」という話を耳にしますよね。
これはまぎれもない事実で、陸マイラーの先輩たちは実際にこのマイル数を貯めて来られました。
そのため、先輩たちにならって同じ事を行えば30万マイル貯める事ができるのは、紛れもない事実です。
さて、これから陸マイラーになろうとする方、陸マイラーになりたての方に質問です。
あなたは本当に年間30万マイル必要ですか?
ポイントサイトを利用して得られる陸マイルは年間216,000 ANAマイル以上になると、マイル効率が下がる事をご存じでしょうか。
そのポイントをワールドプレゼントポイント経由や、Tポイント経由でマイルに交換する前に、一度立ち止まって考える事をオススメします。
この記事では、その理由を説明します。
それでは行きましょう。
※この記事は年間30万マイル貯めている人やその実績を否定するものではなく、個々人がマイル効率を落としてまで本当に年間30万マイル必要かどうかを問題提起するものです。誤解のないようお願い申し上げます。
- 約30万ANAマイル貯める場合と約20万ANAマイルを貯める場合のマイル効率を比較
- ANA国際線特典航空券予約に必要なマイル数
- 年間30万ANAマイルを貯める意味のある人
- 陸マイル活動を行うにあたって大切なこと
- まとめ
約30万ANAマイル貯める場合と約20万ANAマイルを貯める場合のマイル効率を比較
Pabloが、やみくもに年間30万ANAマイルを目指すことに対して疑問を持つ大きな理由は、「マイル効率」が落ちるという点につきます。
下表は、1年間で30万ANAマイルを貯めるためにLINEソラチカルートと三井住友VISAワールドプレゼントポイントルートを併用した際のマイル効率等を算出したものです。
上表のように、ポイントサイトの同じポイント数をANAマイルに交換する場合、交換できるANAマイル数が大きく違ってきます。
詳細は以降で説明しますが、この例では同じポイント数を交換するのに約30,000 ANAマイルもの差が生まれました。
もう一つの方法として、1年間で30万ANAマイルを貯めるためにLINEソラチカルートとTポイントルートを併用する方法があります。
こちらもマイル効率等を下表にまとめました。
この例では同じポイント数を交換するのに約35,000 ANAマイルもの差が生まれました。
これほど「マイル効率」を落としてまで、年間に30万ANAマイルを貯める必要が、本当にありますか?
そもそもどうやって30万ANAマイル貯めるの?
ポイントサイトを利用して、ANAマイルを大量獲得するための代表的なルートは3つあります。
LINEソラチカルートと、ワールドプレゼントポイントルートとTポイントルートです。
まず、2019年現在、陸マイルをためる上で最も効率的なルートはLINEソラチカルートです。
このLINEソラチカルートは、現在、最も効率よくANAマイルを貯める方法です。
22,300円分のポイントを最終的に18,000マイルに交換する事ができます。
※計算上の数値。実際は端数が出ます。
その交換率はなんと、81%です。
しかし、一方でこのLINEソラチカルートには弱点があります。
その弱点とは、月間22,300円分のポイント、つまり、月間18,000マイルまでしか交換できないという上限がある事です。
これでは、以下の計算の通り年間216,000マイルが上限で、30万マイルを貯めることはできません。
18,000マイル/月 x 12ヶ月 = 216,000 マイル/年
では、残りの約8万マイルをどうするかという問題が出てきます。
それを解決するのが、ワールドプレゼントポイントルート、もしくは、Tポイントルートです。
ワールドプレゼントポイントルート&Tポイントルート
例えば22,300円分のポイントをワールドプレゼントポイントルート経由でマイルに交換する場合、最終的に13,380マイルに交換する事ができます。
交換率は60%です。
例えば22,300円分のポイントをTポイントルート経由でマイルに交換する場合、最終的に11,150マイルに交換する事ができます。
交換率は50%です。
年間30万マイルを貯めるためには、上記の通り「LINEソラチカルート」だけでは足りませんので、「Tポイントルート」を組み合わせる必要があります。
ポイントサイト経由で陸マイルを年間30万マイルを貯めるためには、単純計算で毎月25,000マイルを生み出す必要があります。
300,000 マイル ÷ 12ヶ月 = 25,000 マイル/月
LINEソラチカルートで交換できる月間上限マイル数は ANA18,000マイルです。
年間30万ANAマイル貯めるための月間ノルママイル数に7,000 ANAマイル足りません。
この残りの7,000 ANAマイルを下記のようにワールドプレゼントポイント、もしくはTポイントルートで補う必要があります。
実際にこの方法は実現可能です。
ただ、この方法を実現するためには、以下のようにポイントサイトでワールドプレゼントルートだと月間34,000円分のポイント、Tポイントルートだと月間36,300円分のポイントを稼ぎださなくてはなりません。
LINEソラチカルート分に必要なポイント22,300円分に加え、ワールドプレゼントルートなら11,700円分、Tポイントルートなら14,000円分が必要になるという事です。
ワールドプレゼントルートなら、年間に換算すると、408,000円分のポイントが必要になります。
34,000円分 x 12ヶ月 = 408,000円分
また、Tポイントルートなら、年間に換算すると、435,600円分のポイントが必要になります。
36,300円分 x 12ヶ月 = 435,600円分
逆にいえば、年間408,000円分、もしくは435,600円分のポイントを稼ぎだせれば、「ソラチカルート」と「ワールドプレゼントルート」もしくは「Tポイントルート」を合わせて年間30万マイルを貯める事が可能です。
年間30万ANAマイルを貯める事は出来るが、効率が悪い。
しかし、この30万マイルを貯める方法、実は効率という点で問題があります。
その要因が、ワールドプレゼントルートとTポイントルートの効率の悪さにあります。
Tポイントルートの最大の弱点が、その60% or 50%という低い交換率です。
ここが、Pabloが問題提起するポイントです。
前述したように、年間30万マイル貯めるためには、その内の一定量のマイルをワールドプレゼントルートやTポイントルートを利用して生み出さなければなりません。
同じ14,000円分のポイントをマイルに交換する場合の比較です。
LINEソラチカルートが11,340マイルになるのに対して、ワールドプレゼントルートは8,400マイル、Tポイントルートは7,000マイルにしかなりません。
その差、約3,000~4,340マイルです。
マイル交換効率は、LINEソラチカルートが「約1.23円分のポイント=1マイル」に対して、ワールドプレゼントルートは「約1.67円分のポイント=1マイル」、Tポイントルートは「2円分のポイント=1マイル」です。
このように、ワールドプレゼントルートやTポイントルートはLINEソラチカルートと比較して圧倒的に効率が落ちます。
つまり、ワールドプレゼントルートやTポイントルートで交換すればするほど全体のマイル効率が悪くなっていってしまうという事です。
先ほどの例で30万マイル貯めるとした場合、ワールドプレゼントルートは年間406,700円分のポイントが、Tポイントルートは年間434,700円分のポイントが必要になります。
*30万マイルを貯めるために要する期間
それぞれ同じポイント数をLINEソラチカルートで全て交換した場合は、329,427マイル or 367,200マイルになります。
同じポイント数から得られる総マイル数が、約30,000~35,000マイルも変わってくるのです。
LINEソラチカルートの弱点は交換上限
ただ、LINEソラチカルートには月間交換上限マイル数があります。
そのため、同じ30万ANAマイルを貯めるのに17ヵ月かかります。
434,700円分のポイント全てマイルに交換して352,107マイルを獲得する場合には、20ヶ月を要します。(Tポイントルート併用の場合)
この結果をもとにした選択肢が以下の2つです。
マイル効率 or 時間効率
自身の仕事や生活を考えて、実際に年間にどれくらいのマイル数が必要かを考えてみるべきです。
「家族3人で年に一度、ビジネスクラスでハワイに行きたい」
「夫婦で年に一度、ビジネスクラスでヨーロッパに行きたい」
という事であれば、LINEソラチカルートのみの1ヵ月あたり18,000 ANAマイル、年間 216,000 ANAマイルで事足ります。
ANA国際線特典航空券予約に必要なマイル数
ANA国際線特典航空券予約に必要なマイル数をご存知ですか?
以下は、ANA国際線特典航空券に必要なマイル数を中長距離路線のみ抜粋したものです。
(レギュラーシーズン)
ご覧の通り、最も多くマイルを必要とする欧州路線のビジネスクラスでも1人当たり90,000 ANAマイルです。
人気のハワイは、ビジネスクラス利用でも1人当たり必要なマイル数は65,000 ANAマイルです。
以下のように、LINEソラチカルートの年間上限値(1人あたり)216,000 ANAマイルあれば、欧州路線ビジネスクラスで2人分、ハワイのビジネスクラスで3人分をカバーする事ができます。
それでも年間30万 ANAマイル必要ですか?
もし、そうでなければマイル効率を落としてまで、年間30万 ANAマイルを貯める必要はありません。
翌年の旅行分のマイルを最大効率で貯める方がずっと賢明です。
年間30万ANAマイルを貯める意味のある人
それでは、年間30万マイル貯める意味のある人はどんな人でしょうか。
年間30万マイル貯める意味のある人を挙げてみます。
- 年二回以上大きな休みが取れ、その両方で海外旅行にビジネスクラスで行く予定の人。
- 年一回にファーストクラスで海外旅行に行く予定の人。
- 年に一回家族4人以上でビジネスクラスで海外旅行に行く予定の人。
- SFC修行を行う人。
- ポイントサイトの保有ポイントがソラチカルートで消化しきれない人。
他にもあるかも知れませんが、思いつくのはこのあたりかと。
要するに、1年に確実に30万ANAマイルを使用する予定がある人という事です。
逆に言えば、上記以外の人は基本的に年間216,000マイル事足ります。
焦って、マイル効率を下げてしまっては本末転倒です。
陸マイル活動を行うにあたって大切なこと
陸マイル活動でマイルを貯めるにあたって大切な事、それは、
己を知る
という事です。
己を知るとはつまり、
自分の生活を鑑みて明確な目標を描く
という事です。
お勤めの会社で、年に複数回海外旅行に行けるほど休みが取れますか?
本当にファーストクラスでなければいけませんか?
そもそも希望の日に、希望の場所へANAの特典航空券を予約できますか?
少なくともPabloは、現状、年間216,000ANAマイルより多くは必要としていません。
そのため、最高効率のLINEソラチカルートのみでANAマイルを生み出して行きます。
まとめ
自分の生活を振り返り、1年間に必要なマイル数の概算を算出する。
必要以上に効率が落ちるワールドプレゼントルートやTポイントルートでマイルに交換しない。
もっとも大切なことは、明確な目標をもって陸マイル活動を行うという事です。
使いきれないマイルを効率を落として生み出しても、まさに無用の長物です。
年間216,000マイルまでは間違いなく、最も効率よくマイルを積み重ねる事ができます。
216,000マイルあれば、年に1回はビジネスクラスを利用した贅沢な海外旅行ができますよ。
焦って年間30万ANAマイルを生み出しても、ポイントサイトのポイントの資源は枯渇します。
焦らず効率を求めて、目標に向かっていきましょう!
それぞれの歩幅で。